ICTによって遠隔授業が可能に。絶えることなき地方創生の熱意が離島の夢を形にした。
都市部と地方の学校では教員および生徒数の多寡に起因する教育面での地域格差が存在する。特に離島では児童生徒の減少により複式学級化※が進んでいるなか、いかに多様性を育み、学習意欲の向上を図るのか、模索が続いていた。
※:2つ以上学年の離れた生徒たちが同じ教室空間で学ぶこと
また高等学校のない離島に住む子どもたちが、中学校卒業と同時に進学のために島を離れざるを得なくなる「十五の春」も避けては通れない。国や沖縄県は長年、これら離島の教育環境改善を目指しており、解決の糸口を探っていた。
そこで、沖縄全域へ光インターネットのインフラ整備を進めていたNTT西日本グループと共にグループの総力を挙げて沖縄県と与那国町に課題解決の道筋を提案し、2017年夏、与那国島に最先端のICT設備機器を駆使した遠隔授業システムを導入することが決定した。
県と町の役場や教育委員会、各学校との連携を通じた巨大プロジェクトが動き出した。
しかし、与那国島は、沖縄本島から直線距離で約650km離れた絶海の孤島。
沖縄の島嶼を結ぶ光インターネットサービス並びに遠隔授業システムの土台になる、インターネットインフラの整備は地理的なハードルが非常に高かった。
苦節1年、遂に遠隔授業システムが実現。
その後も島内の2つの中学校間の合同授業、沖縄県外の学校との遠隔交流授業などの実証実験に次々と成功した。
また、島を出た子どもたちと島に残る家族との交流通信など活用のバリエーションも拡大しており、2018年秋には与那国島と西日本全域をつなぐ遠隔合同授業が可能な通信環境も整備された。